睾丸が腫れて痛む(睾丸脹痛)の鑑別と治療_泌尿器系症状_中医鍼灸東京健鍼会
本症は、睾丸が腫れたり、痛みを感じる状態を指し、中医では睾丸脹痛と呼ぶ。睾丸脹痛は、狭義の疝(疝
気)に属す。
1.寒凝気滞による睾丸脹痛
:病因病機
急激に身体を冷やしたため、あるいは冷たいものを多飲・多食したために、寒邪が宗筋に停滞する影響で
睾丸脹痛となる。
:鑑別点
急激に起こる睾丸の強い痛み、腫脹は軽度。冷えると痛みは悪化し、暖めると軽減する。
:随伴症状
冷えたり歩行によって 睾丸が腹中に入るために痛みが強くなり、暖めたり横臥すると睾丸が陰嚢に戻る
ために痛みが軽減する。
:舌脈 舌質−正常のことが多い。脈−弦、緊、遅など。
:弁証−寒凝気滞。 :治法−散寒理気、止痛。
:取穴例
気海� �瀉法+灸頭鍼)−温陽散寒。太衝(瀉法+灸頭鍼)−温肝散寒理気。次リョウ(瀉法)−駆邪散滞。
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2.寒湿阻滞によるも睾丸脹痛
:病因病機
なま物や冷たい物の過食、雨に打たれて身体を冷やす、長期間の湿地での生活などによって寒湿の邪が肝
経に侵襲して陰嚢に停滞し、陰嚢の気機を阻滞させるために痛みがおこる。
:鑑別点
痛みは軽度だが、睾丸が腫大して陰嚢が氷のように冷たく硬化する。または陰部の冷感を伴う痛み。
冷えると悪化し、暖めると軽減する。
:随伴症状
寒がる、小便不利、浮腫、食欲不振、小腹部の脹悶感や痛み、泥状便〜水様便、胸や腹がつかえて脹る、
水様の痰など。
:舌脈 舌質−淡、舌苔−白膩。脈−濡、緩など。
:弁証−寒湿阻滞。 :治法−温化化湿、止痛。
:取穴� ��
神闕(灸)−温散寒邪。陰陵泉(瀉法+灸頭鍼)−温化利水。気海(温法+瀉法)−温陽散寒。
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3.肝経湿熱による睾丸脹痛
:病因病機
脂濃いものや甘いもの、味の濃いものの過食やアルコールの常飲、外界の湿邪の侵襲などによって生じた
湿熱が肝経に侵入し、陰部の気機を阻滞させるために睾丸脹痛となる。
:鑑別点
睾丸脹痛。陰嚢が湿潤して痒い、臭う、あるいは浸出液が診られる。
:随伴症状
陰部の湿潤や湿疹・掻痒感・熱感や悪臭、小便黄赤など。
:舌脈 舌質−紅、舌苔−黄膩。脈−弦数、弦滑など。
:弁証−肝経湿熱。 :治法−清利肝経湿熱。
:取穴例
曲泉(瀉法)、太衝(瀉法)−清利肝経湿熱。中極(瀉法)−清熱利湿。気海(瀉法)−行気散滞。
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4.肝気欝結による睾丸脹痛
:病因病機
長期にわたってストレスを感じたり、精神的な抑欝を受けたり、突然強い精神的な刺激を受けることによ
り、あるいは陰血不足の状態が長引くために肝気欝結となり、肝経に生じた気滞が陰部の気機も阻滞させ
るためにおこる。
:鑑別点
多くは一側の睾丸が下墜するように脹って痛むが腫脹は明らかでないことが多い。
:随伴症状
イライラ感、精神抑欝感、易怒、ため息が多い、胸脇部や少腹部の脹満感や脹痛など。
:舌脈 舌質−紅、苔−白薄。脈−弦。
:弁証−肝気欝結。 :治法−疏肝解欝、行気止痛。
:取穴例
太衝(瀉法)、陽陵泉(瀉法)、外関(瀉法)−疏肝理気。気海( 瀉法)−行気散滞。
5.熱毒による睾丸脹痛
:病因病機
湿熱の邪期が停滞して久しく改善されない、熱毒の邪気を感受する、陰部掻痒を掻破するなどによって熱
邪が陰部に停滞するため、あるいは感染症によっておこる。
:鑑別点
急激におこり、熱感を伴う強烈な睾丸脹痛。
:随伴症状
高熱、下腹痛(拒按)、面紅、目赤、煩燥、口渇多飲(冷飲を好む)、小便黄赤など。
:舌脈 舌質−紅、舌苔−黄。脈−数、洪など。
:弁証−熱毒。 :治法−泄熱導滞。
:取穴例
大椎(瀉法)、委中(瀉法)、曲沢(瀉法)−清熱涼血解毒。中極(瀉法)−清瀉欝熱。
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